コロンビア大卒パレスチナ人の永住権を取り消し 大学を襲う「恐怖政治」に全米衝撃
ニューヨークの名門コロンビア大学で、親パレスチナ運動を続けてきたパレスチナ人の元大学院生マフムード・カリルさんの永住権(グリーンカード)がトランプ政権によって突然取り消され、今月7日、移民関税執行局(ICE)の取締官により拘束された。
この逮捕により、不法移民だけでなく合法移民にまで取り締まりが及んだと、全米に衝撃が走った。
マフムードさんは去年12月にコロンビア大学の大学院を卒業。一昨年10月のガザ紛争勃発後、大学に対しイスラエル支援企業への投資の中止を求めていた。トランプ大統領はこれを「テロリストであるハマスに加担する反ユダヤ運動」と強く批判した。
永住権を政権の意向で取り消すのは違法行為だ。連邦裁判所は直ちにこの決定を差し止めたが、マフムードさんはなおICE施設に拘束されている。ニューヨークでは即時釈放を求めるデモが続いている。
実はコロンビア大学は以前から政府の圧力を受けてきた。ガザ紛争を機に全米の大学で抗議運動が沸き起こったが、コロンビア大学はその中心的存在だった。その動きが「反ユダヤ的」と批判されると、学生たちは「これは反ユダヤではなく、罪のないパレスチナ人虐殺への抗議」と主張した。一方、保守政治家らは「大学が反ユダヤの動きを許している」と激しく追及し、学長は辞任に追い込まれた。