楽天「マー君移籍に尻込み」の裏にある“ソロバン勘定”
「入ってくる入札金が20億円程度では、わざわざエースを出すメリットはないとソロバンをはじいたのですよ。仮に20億円で合意するようなら、田中のポスティングは見送るかもしれません」と、地元・仙台の放送関係者がこう言った。
「入札金には税金がかかります。例えば日本ハムはダルを入札にかけて手に入れた40億円のうち、16億円程度が税金だったと聞いている。20億円だとすると、楽天の実入りは十数億円になる。それなら田中を、海外FA権を取得する再来年までフル回転させ、毎年、優勝争いして観客動員やグッズの売り上げ増につなげた方が得策だと計算しているのでしょう」
合意寸前だった入札制度は、米国のオーナー会議を境に様相が激変。それまで米国側は交渉の進捗状況を含めて30球団と個別にやりとりを重ねてきた。ところが、オーナーたちが一堂に会したことで、入札金が高過ぎるという議論が噴出。米国側はいかにして入札金を抑えるかに主眼を置いた案を主張するようになった。引き続き電話交渉は続けるものの、20億円が22億円になったところで状況は変わらない。つまり、依然として出口は見えない。