「柔道はルールあるケンカ」 男子柔道重量級に山下副会長が喝!
ロサンゼルス五輪無差別級金メダリストが低迷する男子柔道の重量級にダメ出しである。
25日、柔道の男子日本代表が都内での合宿を公開。視察に訪れた全日本柔道連盟の山下泰裕副会長が練習前に「柔道はルールのあるケンカ」と選手に異例のゲキを飛ばした。長引く低迷にあえぐ重量級に対して「向かっていく姿勢がないと世界で戦うのは厳しい。それが80キロ級以上の選手には欠けている」とバッサリだった。
重量級の復権が使命でもある男子の井上康生監督(シドニー五輪100キロ級金)は、もちろん手をこまねいているわけではない。就任以来、代表合宿では矢継ぎ早に改革に乗り出し、特に重量級のぬるま湯体質にメスを入れた。
「昔の山下先生と斉藤先生(仁=ロサンゼルス、ソウル95キロ超級金メダリスト、現全柔連強化委員長)のライバル関係は激しかった」(井上監督)と2人の金メダリストの例を挙げ、選手同士に対抗意識を求めた。
井上監督の現役時代と比べ、今の選手は同じ階級同士でも仲の良さが目に付くそうだ。ライバル心をあおるため、合宿や遠征の際、同一階級の選手が宿舎で同部屋になることを禁じた。連れ立って食事に出るなどもご法度とした。海外勢と戦う前に、まずは国内で競わせて重量級の底上げを図るのが狙いだ。井上監督は「重量級には獰猛(どうもう)さも必要」とし、海外に単身で武者修行させる考えも明かした。
不甲斐ない重量級には荒療治が必要だ。