ミラン本田 デビュー25分でわかった「戦術脳」「鈍足」
本田のセリエAデビューは“イチかバチか”だった。5日にイタリア入りした本田は、ミラノ市郊外の練習場でランニングやボール回し、シュート練習など簡単なメニューを消化するのが精いっぱい。チームの全体練習に参加したのは10日の金曜日だけ。11日に前日調整を行い午後には120キロ離れたサッスオーロの本拠地まで電車で移動、翌日夜にはセリエAデビューの強行軍だ。そもそも本田は連係面の練習をほとんどこなしていない。起用されるポジションもトップ下か、カカとのダブルトップ下か、4DF―4MF―2FWのサイドMFか、対戦相手との力関係や試合展開によって流動的に布陣を変更するミランにあって、本田には荷の重過ぎるデビュー戦だったのである。
■いきなりの難ミッション
「本田のストロングポイントに<戦術理解度の早さ>がある。サッスオーロ戦のミランは、1トップのバロテッリの背後にカカとロビーニョのダブルトップ下の先発布陣。本田が交代出場する10分前にFWパッツィーニが投入されてバロテッリと2トップを組み、本田はピッチに入る前に<ボックス型中盤の右前に入れ。右サイドに張らないでカカと近い距離を保ち、2人とも中央寄りでプレーすることで両SBの攻撃参加を促せ。右SBデ・シーリョと連係してゴールに絡め>と指示された。この難しいミッションを本田はソツなくこなしてみせた」(サッカー記者)