巨人も気を揉む オリックス金子の“超スローペース調整”
「若くもないので、焦ってもしょうがない」
オリックスのエース、金子千尋(30)のセリフである。キャンプ初日から、投手陣がブルペンで熱の入った投球練習を行う中、第1クール2日目のこの日(2日)も、キャッチボールに筋力強化と、自主トレの延長のようなメニューに終始。チーム内競争に目の色を変える中堅若手を尻目に、今後もマイペース調整を続けていくという。
さるチーム関係者によれば、「1カ月のキャンプで多い選手は2000球、少ない選手でも1500球はブルペンで投げるものですが、金子はこのキャンプで1000球も投げないかもしれません」というから、マイペースというより、超のつくスローペースである。
初日からブルペン入りした昨春の金子は、キャンプ途中に右ヒジを痛めた。その影響で、オープン戦に一度も登板しないまま、開幕戦のマウンドに上がった。調整の遅れが懸念されながら、15勝8敗(防御率2.01)の好成績。マー君を抑え、奪三振王のタイトルを取った。故障した反省と、身をもって知ったキャンプでの球数とシーズンでの成績は比例しないという事実が、「投げないキャンプ」に臨ませるのだろう。