当面使用継続の「飛びすぎ統一球」で得するのは巨人だけ
「ボールが飛びすぎるとの声が選手から噴出し、秘密裏に統一球の反発係数を上げていたことが発覚した昨年ですら、同時期の本塁打数は76本。ちなみに、飛ばないとされた統一球を使っていた一昨年はこの時期に45本塁打だった。今年は早くもその倍以上の数になっているのですから、『飛ぶボール』というより、『飛び過ぎるボール』になっている。投手はたまりません」(球界関係者)
■巨人はここまで12球団最多本塁打
NPBの井原事務局長は「速やかに原因を究明して、定められた規格の球にしたい」と製造元のミズノに指示したというが、そもそも昨年の統一球騒動はミズノが基準を下回るボールを供給していたのがきっかけ。NPBがそれを公表せず、反発係数を上げたボールを作らせたことで、大騒動に発展した。
「11年に統一球が導入されるにあたり、ボールの供給メーカーがそれまでの4社からミズノ1社になった。契約4年目を迎え、1社独占の弊害が出ているとの声もある。NPBが来年初めにも、供給メーカーを決めるコンペを開く準備をしているのも、そういうことでしょう。コンペには、大リーグとWBCの公認球をつくる米ローリングス社が参加するという話も出てきた。そもそも、統一球が導入されたのは、WBCなど国際大会に戸惑わないため。この際、大リーグ使用球を導入すればいいんです」