阪神に3連敗で崩壊した 原巨人の「勝利の方程式」
初黒星を喫した山口だって本調子には程遠い。キャンプ中に左肩を痛め、開幕後に今度はインフルエンザを発症。セ・リーグのあるスコアラーは「今年の山口は明らかにスピードがない」と指摘していた。この日の最速は144キロも、直球系のほとんどが140キロに届くか届かないか。昨季までは150キロを優に超えていたから、その差は歴然としている。
守護神の西村はまだ無失点だが、最終回をすんなり締められない。DeNA戦でモタついた際、原監督がベンチを蹴り飛ばして激怒したところに、救援陣の不安定さへの苛立ちが表れている。
かといって、実績のある他の投手も期待はできない。
昨季終盤に中継ぎに回った沢村は右肩痛で離脱。胃腸炎も発症し、大幅に出遅れている。抑え経験もある久保は開幕直前に登録抹消され、現在二軍調整中だ。さる球団関係者がこう言う。
「現場から<先発がいない>という要請で大竹とセドンを補強。ただ、山口は6年連続60試合以上、西村は昨季71試合、マシソンも63試合も投げた。勤続疲労などの反動があってもおかしくないという声もチーム内にはあったけど、首脳陣はその3人に沢村と久保も復帰するから大丈夫だろうとタカをくくっていたフシがある」
原監督は試合後、「接戦をモノにできない。ここという場面の執念が課題」と嘆いた。この日のように延長戦で競り負けるのは想定外。3位に転落したこの敗戦は、ただの1敗でない。