阿部欠場もスタメンならず 巨人新人捕手小林に“エースの壁”
「何で実松? 阿部が出ないなら小林だろ!」
昨8日の広島戦。巨人の先発メンバーが発表されると、報道陣からこんな疑問の声が上がった。
広島の先発・野村は、巨人の新人捕手・小林誠司(24)と広陵高時代にバッテリーを組み、夏の甲子園で準優勝。正捕手の阿部は左ふくらはぎを打撲してこの日も欠場したから、小林が出れば「同級生対決」になっていたところ。それが、スタメンマスクは実松というから、「空気読んでよ~」という声が出るのもムリはなかった。
■小林を育てる絶好のチャンスなのに
小林は6日の中日戦でプロ初先発。初安打を放つなど、上々の滑り出しを見せ、原監督に「(阿部)慎之助がデビューした時より、はるかに堂々としたキャッチャーぶりだった」と言わしめた。「小林の育成」は巨人の重要課題。阿部がいない今が絶好のチャンスなのに、なぜ外したのか。さるチーム関係者がこう言う。
「この日の先発の内海が小林とのコンビを嫌がったのかもしれない。オープン戦でバッテリーを組んだ時、『チェンジアップの要求が1球だけ。ボクの中で2番目にいい球なんですけどねえ。サインが出なかった。小林君はボクの持ち球を知らないんじゃないかな』と苦笑いしていた。この試合は好投したから笑っていたけど、次に組んだ時には5回11安打8失点と大炎上。結果として開幕投手を逃すことになっただけに、内海の方がまだ呼吸が合わないと感じていたんでしょう。チーム内には『新人捕手を教育するのもエースの仕事』という意見もあるけど、“捕手はまずはリード。肩が強いだけで投手陣に信頼されると思うなよ”という内海のメッセージもあるのではないか」