展開に一喜一憂 破顔で終幕した中日・谷繁監督「顔面劇場」
「指揮官はベンチで喜怒哀楽を出すな」という人がいる。谷繁監督が見せた九回の表情は対照的だった。
1点取ればサヨナラ勝ちの攻撃は、森野の左翼フェンス直撃の二塁打から始まった。このチャンスにニンマリした新監督は、続く和田の四球でチャンスを広げたまでは明るかった。が、堂上直のバントが投手前に転がり代走岩崎が三塁封殺。アウトのコールにガックリうなだれると、1死一、二塁から代打小笠原の二ゴロで相手野手にミスが出て一塁はセーフ。コーチ陣と喜んでいる間に、なぜか二塁からホームを狙った鈍足の和田が余裕のアウト。再び兼任監督は頭を垂れた。その数分後、2死一、二塁で代打・松井佑の内野安打で満塁になると、再び顔がほころび、最後は荒木の左前打で今季2度目のサヨナラ勝ち。満面の笑みでベンチを飛び出した。
前日はアクシデントの川上の代役に指名された高卒2年目の浜田がまさかの完封劇。この試合を落としたら、浜田の奮闘が無意味になってしまう。大きな勝ち星に谷繁監督は「細かいところをちゃんとしないとね。でも、勝つとうれしいね」と言って上機嫌だった。