首位キープ 一皮むけ変貌した広島・野村監督のメンタル
とは、チーム関係者。
■指導経験ゼロ
生え抜きのスター選手として期待を背負い、指導経験がないまま10年に監督就任。12年までの3年間はBクラスに低迷し続けた。「一番大きいのは精神面の変化やろうね」と、前出のOBが言う。
「就任3年間で結果を残せず、マツダのカープファンからは<辞めろ、辞めろ>とキツいヤジをもらっていた。それで心身を病んでしまってね。ストレスに不眠症が重なり、医者の世話になった。睡眠薬とかいろんな処方薬に頼らざるを得なくなり、ちょっと様子がおかしくもなった。医者からのストップもあって、就任初のAクラス入りを果たしながら、オーナーに辞意を漏らした。結局、<頭が固い>とオーナーに説教されて続投したわけだけど、メンタルをやられたことが、プラスになったんじゃないか。何でもかんでも自分一人でやろうとして、細かいことまで気にしていたら体が持たない。Aクラス入りと病気を境に、気持ちの余裕ができて、大局的に物事を見られるようになったと思う」
“ケガの功名”で一皮むけた指揮官が率いるカープ。今季はただでは倒れそうにない。