原博実氏が語る「ザック日本の敗因」「専務理事兼務への批判」
ザッケローニ前監督を招聘した日本サッカー協会の原博実・専務理事兼技術委員長(55)は、9月から専務理事の立場から協会の改革に全力投球していく。改めてブラジルW杯の敗因、ハビエル・アギーレ監督(55)就任の経緯、今後の改革案などについて90分間ズバリ迫った。
■監督の途中交代は考えなかった
――W杯本大会でのザッケローニの選手起用、采配、戦い方についての印象を教えて下さい。記者席からベンチワークを見ていて「混乱しているのでは?」と思いました。
「監督も選手も、そしてサポーターたちも『前に行くんだ! 攻撃するんだ!』という意識が強く出てしまった。対戦相手も、日本を徹底的に研究してきました。いずれにしても、選手交代など混乱していたのでは、と言われても仕方ない部分はあったと思います」
――選手たちは「日本らしいサッカー」と口にしていました。この「日本らしいサッカー」は、なんだったのでしょうか?
「それをひとことで言い表すのは難しいです。日本人は、体は大きくないし、体重も軽い。でも瞬間的な鋭い動き、1歩、2歩の出足の速さ、器用さ、組織力、連動性といった良さがある。アギーレ監督が、来日会見で『まずは守備』と言った時、メディアは『えっ!?』という反応でしたが、サッカーにおいて守備をしないチームはありません。守備は凄く大事。まずは守りをしっかり構築し、組織的に攻守を連係させて日本人選手の良さを出していく。それが日本らしいサッカーだと思います」