藤原正彦氏がピタリ言い当てた日本サッカーが勝てない理由
その指摘に膝を打ったファンも多かったことだろう。
数学者で「国家の品格」など、多くの著書がある藤原正彦氏(71=お茶の水女子大名誉教授)は、サッカー少年だったという。だからサッカーに詳しいのだろう。週刊新潮の連載コラム「管見妄語」(7月31日号)において、W杯に惨敗した日本の欠陥をズバリ突いていた。要約するとこうである。
まったく守備をしない怠惰なメッシが世界一の名選手と言われるのは、確実なシュート力もあるが、際立ったダッシュ力。
本田が才能を発揮しきれないのはダッシュ力に欠けるからだ。
日本の致命的欠陥はここ50年間、何はさておき守備陣のダッシュ力の欠如。世界の速いフォワードは50メートルを6秒そこそこで走る。6秒5のバックスでは10メートル並走しただけで80センチも先に出られてしまう。勝負にならないから反則で止めるしかない。
ダッシュ力に自信がないと敵の逆襲が怖いからいつも後方に引き気味になる。前線と最終ラインとの間を狭く保つコンパクトサッカーができない。日本代表の守備陣は、50メートルを少なくとも6秒前半で走れる者のみにしないといけない。「守備陣のダッシュ力がない限り、いくら監督や作戦を変え、技術やチームワークを向上させようと、永遠に世界には太刀打ちできないのだ」と、藤原氏は結んでいる。