錦織を鬼指導 メンタルの弱さを指摘したチャンコーチの箴言
テニスの全米オープン男子シングルスでベスト4入りを果たした錦織圭(24)は6日(日本時間7日)の準決勝で、8年連続4強入りの世界ランク1位、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)と対戦する。
2人の通算対戦成績は1勝1敗で、今回が3度目の対戦。錦織は2011年11月のスイス室内・準決勝で勝っているが、この試は合ジョコビッチが肩の故障を抱えていた影響もあっての金星だった。つまり、今大会最強の相手ということになるが、すでに錦織の頭からはジョコビッチの実績は消えているに違いない。
理由は、錦織のコーチであるマイケル・チャン氏(42)のメンタル改革にあった。今年6月のウィンブルドン終了まで、女子プロテニスの土居美咲(23・世界ランキング90位)のメンタル指導を行っていた児玉光雄氏(追手門学院大客員教授)がこう語る。
「錦織のコーチ、マイケル・チャンは、『とにかく過去を忘れなさい』と言う。それは、チャンが錦織のコーチになる前の2011年の有名な一件があるからだろう。錦織は同年バーゼル大会の決勝直前、『フェデラーと決勝で対戦するのはワクワクする。彼は偉大な選手で、昔から憧れだった』と発言し完敗した。対談したチャンに『君はフェデラーと決勝で戦うことである程度満足していた。あのコメントは大きな過ちだった』と指摘された。相手が誰であろうと、試合になれば、それは倒す相手。実績もランキングも関係ない。チャンは、憧れのフェデラーに本気で勝つ気がなかった錦織の気持ちをズバッと突いたのです」