釜本邦茂氏が“新星”代表FW武藤に説いた「ストライカー道」
しかし、決して悲嘆に暮れることはない。私自身も、かつて同じ経験をしたことがある。天才ペレのプレーを見た瞬間に「真似は出来ない」ことを自覚した。でもすぐに「手本になる選手はいる。学べる選手は必ずいる」と思い直した。ポルトガル代表FWエウゼビオ(1942年~2014年。現役通算727試合出場715得点。66年イングランドW杯3位、6試合9得点で得点王)に出会い、彼を徹底的に研究するうちに、ストライカーとして成長できた。
アギーレ日本代表の4試合を振り返ると、最大の収穫は武藤を抜擢したことだと思っている。持ち味のドリブル突破から積極的に仕掛け、フィニッシュにつなげる“道筋”を持っている選手だ。
一日も早く手本となる選手を見つけ、厳しいトレーニングを積み、レベルアップに励んで欲しい。ストライカーとはどうあるべきか? 悩んだ時には、話を聞きに来てくれてもいい。歓迎する。
(構成・日刊ゲンダイ)