釜本邦茂氏が“新星”代表FW武藤に説いた「ストライカー道」
日本戦で4得点のネイマールの凄さを端的に表現するとしたら、それは「どこで何をすれば、自分自身の魅力を最大限に表現できるのか?」を知り尽くしているところにある。
言うまでもないが、ネイマールの魅力は「決定的な仕事が出来る」だ。前を向いてボールを引き出す。ボールを運んでゴールの枠内に蹴り入れる。ネイマールは簡単にやっているようにも見えるが、一連の作業をよどみなく行うのは、非常に難しいことである。強靭な身体能力も必要となってくるし、さらには「経験値」も必要となる。
ネイマールは、過去の失敗を蓄積して「次に生かす」能力に長けていると思う。それは試合の中でも見て取れる。序盤のミスを把握し、消化することで同じような失敗は繰り返さない。だから、日本戦の荒れたピッチでもボールコントロールは正確性を増し、どんな局面からでもゴールをきっちり決められたのだ。
ブラジル戦でネイマールと同じ役割を担ったFC東京のFW武藤嘉紀(22)は、ネイマールの凄さを目の当たりにして、おそらく「彼のような天才にはなれない」ことを実感しただろう。