カメラ窃盗疑惑もう一つの疑問 冨田を見捨てた水連の“思惑”
仁川警察の取り調べに犯行を認めたのも、「『罪を認めれば大事にはならない。すぐに日本に帰れる』と言われた。次の日に帰国するので(競泳選手団の)みんなと一緒に飛行機に乗って帰れると思ったため」と振り返り、「でも次の日に飛行機に乗れず、話が違うと思った」といかにも不満そうな顔を浮かべた。
いずれにしろ、突然の出来事に動揺があったことを差し引いても、25歳の大人の対応としてはどれもこれも幼稚で無思慮な印象が先に立った。
■弁護士の口からは「陰謀説」まで
國田弁護士に「なぜ、(冨田を)弁護してやらなかったのか」と痛烈批判された日本オリンピック委員会(JOC)と日本水泳連盟(水連)の対応も理解に苦しむ。
水連の泉専務理事は「我々もJOCも大使館員の方も一生懸命フォローした」と言い訳したが、鈴木大地会長の「やっていないという話は聞いていたものの、本人も混乱していたし、防犯カメラの映像もあった。取り調べで認めていて、証拠もあり、どうにも対応できなかった」との釈明を聞く限り、手をこまねいているだけだったことがよく分かる。