九州場所「千秋楽」完売 相撲協会が恐れる逸ノ城の途中休場
ここ数年、大相撲九州場所は「不人気場所」と呼ばれていた。初日に満員御礼が出たのは97年が最後。会場は最大7500人収容の福岡国際センターと決して大きくないにもかかわらず、常に閑古鳥が鳴いていた。
そんな九州場所が逸ノ城(21)人気に沸いている。九月場所で1横綱2大関を破る13勝2敗という快進撃もあり、新入幕から2場所目にして新関脇に昇進。すでに千秋楽のチケットは完売するなど、逸ノ城効果はとどまるところを知らない。
それだけに相撲協会が恐れるのが、モンゴルの怪物の休場だ。
九月場所後は連日取材やイベントに駆り出され、ストレスのあまり帯状疱疹で1週間入院。下半身不調の原因だった骨盤のズレこそ整体で「突貫工事」を行ったものの、出稽古は一切行っていない。ただでさえ調整不足で体調も万全でないとあっては、途中休場もあり得ない話ではない。
新関脇という地位も、逸ノ城の置かれた立場をいっそう厳しいものにする。9日の初日の相手は横綱日馬富士と、序盤から上位陣との対戦が続く。先場所、土をつけられた力士がリベンジに燃えているのは当然。中でも白鵬、日馬富士以外の上位陣は2場所続けて負けたら立つ瀬がない。それこそ、どんな手を使ってでも勝ちにくるはずだ。