著者のコラム一覧
森高夕次漫画家・漫画原作者

1963年、長野県生まれ。コージィ城倉のペンネームで89年「男と女のおかしなストーリー」でデビュー。原作を務める「グラゼニ」(「モーニング」連載中)は「お金」をテーマにした異色の野球漫画としてベストセラーに。

大物のトレードがなくなった背景

公開日: 更新日:

 そんな今、たとえば人気球団のエースがトレードに出されようものなら、たちまち球団は批判の嵐にさらされる。ネットがなかった時代なら、決まってから苦情電話やファンが会社に押しかけるくらいで済んだだろうけど、「監視社会」のなかではそうはいかない。ましてプロ野球界は「ムラ社会」。トレードのようなトップシークレットの話であっても、成立前に外部に漏れても不思議ではない。

 こうして、血も涙もないようなトレードがなくなってしまったわけだが、これと並行するように、プロ野球選手にも「荒くれ者」が消えてしまったように感じる。性格がトンがっているような選手ほど活躍したものだけど、00年代前半、清原和博や伊良部秀輝らを最後にパタッといなくなった(まあ、こういう選手が出されやすかったことも事実なのだが)。

 今をときめく大谷翔平なんて、イイ子ちゃんで優等生の見本みたいな性格をしている。漫画の世界でも同様で、昔の方がアナーキーでトンがった作品が多かった。昔は角が立つのを恐れていなかったように感じる。

 いろんなものの角が取れて丸くなった。それはトレードひとつとっても。時代は変わったと言われればそれまでだけど、息苦しい世の中になってしまったもんだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    僕がプロ野球歴代3位「年間147打点」を叩き出した舞台裏…満塁打率6割、走者なしだと.225

  2. 2

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  3. 3

    “玉の輿”大江麻理子アナに嫉妬の嵐「バラエティーに専念を」

  4. 4

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  5. 5

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  1. 6

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 7

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  3. 8

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 9

    大江麻理子アナはテレ東辞めても経済的にはへっちゃら?「夫婦で資産100億円」の超セレブ生活

  5. 10

    裏金のキーマンに「出てくるな」と旧安倍派幹部が“脅し鬼電”…参考人招致ドタキャンに自民内部からも異論噴出