オリvs阪神 「中島争奪戦」本当の“勝者”はどっちだ?
「鳥谷流出に備え、現場では大和を外野から再コンバートする方針が固まり、『空いた外野のレギュラーを目指す』と6年目27歳の俊介ら中堅、若手が目の色を変えていた。中島を獲得すれば、そうした選手のやる気、チームの士気に水を差すというリスクもあった。中島が来るからやっぱり外野に戻れとなったら、大和だって複雑でしょう。ただでさえ、近年の阪神の補強はなにかと批判されることが多い。中島だってやりにくいし、年俸が突出する選手の加入はチーム内の金銭バランスを崩すだけでなく、それがチームの和に影を落とすという不安もある。そういうことを考えれば、このオフの補強の失敗はむしろプラス効果もあると見ています」
中島は13年にアスレチックスに入ったものの、2年間で一度もメジャーに昇格できなかった。マイナーでもからっきし。事実上、2年のブランクがある中島に15億もの札束を積むのは、そもそもリスクが大きすぎる。補強全滅と球団は頭を抱えるが、ナインにとっては大歓迎。選手の競争意識をあおり、それをチーム力の底上げにつなげることができるか。首脳陣の腕次第で、ピンチをチャンスに変えられる。