松本山雅でJ1に旋風 “昇格請負人”反町康治監督の「組織論」
ウチはパス成功率がJ2最低だけど、走行距離やセットプレーでの得点はトップクラス。選手の長所を生かした戦い方にこだわったからこそ、今がある。J1昇格決定直後の千葉戦では、向こうのFWの歩いてる時間が70%以上あったのに対し、仙台から育成型移籍で加入したFW山本(大貴)は51%だった。中盤同士を比べてもウチの方が少なかった。こういう数字も、自分たちのスタイルを突き詰めた成果だと思っています。
反則も徹底的に減らして、フェアプレー賞を取れたのも大きな成長。15年のJ1でも、ウチらしい戦い方で旋風を巻き起こせたらいいですね。
オレは01年から監督業に就き、08年北京五輪で惨敗(1次リーグ3戦全敗)した後、「アウトロー精神でやっていこう」と決心した。そういう中でも、チーム内に「ヒエラルキーをつくらない」という鉄則だけは、ずっと守ってきました。
オレも人間だから、どうしてもブレることはあります。しかし「自分らしさ」という大きな幹の中からは、ハミ出さないようにしたつもりです。
やっぱり大事なのは「自分の仕事に自信を持つ」こと。その姿勢を堅持しながら、新しいステージを迎える15年は積極果敢にチャレンジしたいと思います。