松本山雅でJ1に旋風 “昇格請負人”反町康治監督の「組織論」
静岡・清水東高から一般入試で慶応大に進み、総合職で入った全日空に在籍しながらサラリーマンJリーガーとして脚光を集めた反町康治氏(50)。指導者に転身後、03年にはJ2新潟を、09年には湘南を、そして14年には松本をJ1に導いた。国内屈指の「J1昇格請負人」は地方クラブの松本をどうやってトップリーグにまで引っ張り上げたのか?
14年11月1日の福岡戦に勝利し、悲願のJ1昇格を決めました。
それからの取材ラッシュは凄まじいのひと言。14年中だけで約100件。連日マネジャーに言われるままに動き、まるで芸能人並み(笑い)。それだけ松本山雅が注目されるのは、うれしいことではありますが――。
12年1月、初めて松本に来た時、正直に言って「まとまりのまったくないチーム」だと思いました。前年のJFLでは反則、異議、遅延が多すぎたし、練習や生活態度に問題のある選手もいた。まるで昔の人気アニメ「アパッチ野球軍」(苦笑)でした。「これは大変な仕事になるな」と感じたけど、腹をくくるしかなかった。最初の御殿場合宿から走力強化と守備戦術の刷り込みを徹底的にやり、みんながガムシャラについてきてくれた。