UAE戦でのワンプレーで “鉄人の斜陽”決定づけた遠藤保仁
「体力の限界!」。こう言って引退したのは、優勝31回の元横綱・千代の富士だ。91年5月場所の初日。前頭筆頭だった貴花田(現貴乃花親方)に寄り切られ、2日目に引退を表明した。18歳9カ月の貴花田に史上最年少の金星を献上。これが引退の引き金となった。
サッカー界の鉄人・遠藤保仁が、そう遠くない現役引退の日を迎える時、体力の限界を悟った試合としてアジア杯・準々決勝のUAE戦を挙げるかもしれない。
試合開始早々、FW本田圭佑(28)が自陣中央から左斜め前の遠藤にパスを送った。本田には「ドリブルで敵陣に入ってから展開して欲しい」という意図があり、遠藤の1メートル先にボールを送った。足元に入ると思った遠藤は足を伸ばしてトラップしようとしたが、まったく体が言うことを聞かず、ボールは相手選手に渡った。
アジア杯4試合目で疲弊した遠藤は、その後もキレを欠いたプレーに終始。後半早々に屈辱的な仕打ちを受けた。後半9分、22歳のMF柴崎岳と交代を命じられた。
「オーバー30にしては疲労回復スピードは早かった遠藤も寄る年波には勝てず、昨年のブラジルW杯でも最後はスタメンから外された。遠藤の口癖《サッカーは年齢でやるものではない》は真理だが、さすがに言い訳にしか聞こえなくなってきた」(マスコミ関係者)