大谷、近藤、石川…補強頼みの巨人が羨む日ハムの若手躍進
このオフは内野手の小谷野(34=現オリックス)と大引(30=現ヤクルト)、ベテラン2人が一度にFA退団した。日本ハムはしかし、引き留めるどころか、むしろ出て行って結構という態度だった。大引は守備範囲が狭くなったと判断、小谷野に関しても本人の希望年俸を払ってまで引き留める価値はないと判断した。ベテラン2人の退団を、もっけの幸いとばかりにチームの若返りに利用した。
出ていく選手がいなければ、トレードを使ってでも放出する。一昨年、オリックスに「譲渡」した糸井(33)がそう。何より新陳代謝を重要視、チームの活性化によって戦力アップを図る。
日本ハムと巨人ではむろん、球団の位置付けが異なる。ファンやマスコミの注目度が高くて常勝を義務付けられている巨人に対し、日本ハムは3年に1度優勝することが目標だ。
どちらのやり方が正しいかはともかく、巨人に高卒ルーキーだった大谷に投手と野手、一度に2つのポジションを与える余裕や、世間や球界OBの反対を押し切ってまで二刀流に挑戦させる度量はないだろう。あえて主力を放出して若手にチャンスを与え、新陳代謝を図ることも日本ハムだからできること。巨人で二刀流選手が一本立ちしたり、イキのいい若手が次から次に出てきたりなんて夢のまた夢。ほとんどあり得ないのだ。