20キロ競歩世界新の鈴木雄介 勝因は「身体の効率化」の声
「本当は20キロに足りなかったんじゃないの?」というジョークは失礼だ。
15日に行われた、世界陸上(8月・北京)代表選考会を兼ねた全日本競歩能美大会男子20キロで鈴木雄介(27)が1時間16分36秒の世界新記録で優勝した。
従来の記録は、フランスのヨアン・ディニが今月8日に出した1時間17分2秒だった。ちなみに、陸上の五輪、世界選手権の実施種目で日本選手が世界記録を更新したのは2001年ベルリン・マラソンの高橋尚子以来。男子の日本選手では65年に英国のマラソン大会で重松森雄がマークして以来50年ぶりの快挙だ。
大記録で世界陸上の代表に決まった鈴木は「自分でもびっくり。まさか世界記録までいけるとは思っていなかった。以前より確実にフォームはきれいになってきている。夢のひとつがかなった」と言った。
鈴木は中学時代から競歩を始め、06年世界ジュニア1万メートルで3位。社会人2年目の11年世界陸上20キロでは8位、12年ロンドン五輪36位という成績を残した。昨年の日本選手権20キロでは日本記録を更新し、9月のアジア大会20キロでは銀メダルを獲得。日本では地味な競技だが、同種目では昨年、世界ランク1位となり、日本陸連の強化指定選手としては最高の「ゴールドアスリート」にもなっている。