HR独走中のヤクルト畠山 “札付き問題児”が“孝行息子”に
「指導者をやっていて、手を上げたのは後にも先にもアイツだけ」
そう言う人が何人もいる。小川淳司前監督、荒井幸雄元打撃コーチがそうだ。9日のオリックス戦で17号先制3ランを放ったヤクルトの畠山和洋(32)はその昔、それほど素行が悪かった。
「今となっては本人が、『1時間の特打を命じられたら10分だけやって、あとの50分は風呂に入ってた。とんでもないヤツでした』と笑って振り返りますが、岩手の専大北上から00年のドラフト5位で入ってきた当初は札付きの問題児でした。二軍時代はデーゲームなのに、酒の臭いをプンプンさせて寮に朝帰りするのは日常茶飯事。当然、遅刻も多かった。練習もしないでパチンコ店に入り浸り、サボるためなら平気でウソをつく。あまりに自覚がないので、温厚な小川さんや荒井さんがバチンとやったわけです」(チーム関係者)
そんな札付きの問題児が、今やチームにとって最高の孝行息子。交流戦12試合で8本塁打と勢いが止まらず、本塁打王争いで2位に6本差をつけてリーグトップを独走する。4位Bクラスからの浮上を狙うチームもこれで3連勝。畠山に引っ張られる打線はこの日、10安打8得点と爆発した。