王貞治氏は30本で引退したが…野球選手から消えた“引き際”
プロ野球ファンの松野弘氏(東農大客員教授)は、対照的な去就についてこんな見方をする。
「私は、どんな職業でも能力さえあればいつまで働いてもいいと思う。例えばイチロー(41)がそうであるように、能力を出すために日々、工夫、努力をするのがプロです。野球選手は一年一年が勝負ですが、今は複数年契約というものがあったり、過去の実績が認められて戦力にならなくても現役を続けていられる選手もいる。日本球界はメジャーに比べて給料が安い。全盛期に給料を抑えられる分、続けることができるなら、なるべく長い期間ユニホームを着ていようと考えている選手が増えているのだろう」
プロ野球選手は昔から、球団と契約を交わして支配下登録される。とはいっても、かつての年俸査定はドンブリ勘定の部分もあった。
「子供ができたから」「オフに結婚するから」と情に訴え、年俸を上げてもらった選手もいた。
「今は査定ポイントも詳細にわたり、球団がドライになった分、選手も故障して欠場しても、外国人選手のように淡々としている者が多くなった」と、ある球団の関係者は言う。