先輩・荒木大輔氏も指摘 早実・清宮に見えた「3つの課題」
「ファーストストライクを選んで甘い球を逃さずに本塁打するのは大したものです」
甲子園のネット裏で取材するスポーツライターの安倍昌彦氏が、早実の清宮幸太郎(1年)についてこう言った。
17日の九州国際大付戦での第2打席。初球のストレートを右翼席にライナーで叩き込んだ。3回戦の東海大甲府戦に続く2試合連続本塁打は1年としてはかつて「怪物」と言われた清原和博、松井秀喜でもなし得なかったこと。19日の仙台育英との準決勝でもアーチに期待がかかるが、一方でここまで順調に結果を残しているからこそ、今後しっかりと向き合うべき課題もある。
■現在の打撃は上半身主導
「下半身の強化が重要になってくるでしょう」と冒頭の安倍氏がこう続ける。
「この日の本塁打は、しっかりボールを上から叩いていたが、今は極端に言えば上半身主導で、手が先に動いて下半身が後からついてくるような印象がある。東海大甲府戦で本塁打を放った際のフォームをスローで見ると、足首よりも手が先に動き、ボールをミートさせてから軸足の足首が回転していた。身体能力が高いから上半身の力だけで打てるのでしょうが、これからプロを目指してさらに進化するためには全身を使ってボールに力を伝えることが大事。今、たとえば東海大相模のエース左腕の小笠原の140キロ以上のストレートが内角に来た時、これを引っ張って強烈な打球を放つのは簡単ではないかもしれない。金属バットから木のバットに変わっても飛距離を出そうと思えば、下半身をしっかり鍛えて膝、足にバネを作り、下から体をひねり上げるような打撃フォームを作り上げる必要があると思います」