中村の金1号も深夜にひっそり 世界柔道「録画中継」の裏事情
今や日本の「お家芸」はこの程度の扱いか。
16年リオ五輪まで1年を切ったこともあり、現在、さまざまな競技の大規模大会が真っ盛り。「世界」と名のつく大会だけでも、陸上(中国・北京)、バレー(日本)、柔道(カザフスタン)が同時進行で行われている。
テレビ各局はこの熱戦を視聴者に届けようと、生放送を中心に番組編成を行っている。が、世界柔道も地上波(フジテレビ系列)で放送されてはいるものの、深夜帯で録画によるものなのだ。しかも、開催地のカザフスタンは新疆ウイグル自治区の北西にあり、時差はたったの3時間しかない。
柔道は日本古来のスポーツであり、五輪で金メダルが狙える種目でもある。いくら何でも軽視し過ぎではないのか。
あるテレビ局のディレクターに聞くと、今回の世界柔道の中継についてこんな答えが返ってきた。
「もしウチに世界柔道の放映権があって放送したとしても、今の試合システムを考えたら、フジと同様、深夜の放送になったと思う。柔道は体重別による『男女1日1階級』が基本の勝ち上がりシステムです。有力選手の試合を生放送しようと枠を取っても、初戦や2回戦で負けてしまう可能性がある。その場合、日本人の知らない外国人選手の試合を放送しなければならなくなる。五輪本番なら別でしょうが、世界大会でそこまでのリスクは負えない。柔道は女子バレーや陸上と違って地味だし、『視聴率が取れない』という理由もあると思いますけどね」