あり得ない“ローカルルール”から見えてくる日本ゴルフ事情
「OBに関しては、往生際の悪いプレーヤーにさっさとあきらめさせるための措置です。暫定球を打たずにボールを確認しにいかれたりすれば、ボールを捜す時間、結局見つからずにティーインググラウンドまで戻って打ち直すなど、かなりの時間を浪費します。初めからOBとわかっていれば、話が早い。それだけで進行がかなり変わるのです」
「あるがまま」というのがゴルフの基本だ。ところが日本のゴルフ場でそれを許さず、ローカルルールで、とにかくプレー進行を早くさせようという狙いなのだ。
そもそもローカルルールって、一体何のためにあるのか。前出の支配人がこう言う。
「例えば崖の下にボールを落としてしまった場合、ボールを捜して大ケガをするのを阻止するためであり、たとえボールが見つかってもアマチュアは脱出するのに3打も4打もかかる。そうすると時間がかかって仕方ありません。それらを防ぐためにローカルルールを適用するわけです。
また、以前は林に打ち込んだらOBだったところでも、プレーの進行を早くさせるため、OBではなく1ペナに変更して前進ティーをグリーンに近づけて3打目を打たせたりしています。パー4なので1打目がOBであっても3オンが可能になり、ティーショットをミスしても3オン、1パットでパーを取れるわけです。2オン3パットのプレーヤーよりスコアが良くなるのです。こうなると、何のためのペナルティーかということになる。ミスをすればスコアが悪くなるのが普通なのに、逆の結果になる。いずれにしても、ハーフを回るのに3時間もかけられては困る、というゴルフ場の事情があるわけです」
ゴルフ場がヘンなローカルルールを“乱発”するから、日本のゴルファーはいつまで経っても下手なのだ。