空前の混戦制す ヤクルト真中監督が語るリーグVへの道のり
マジック1で迎えた2日の阪神戦にサヨナラ勝ちし、14年ぶり7度目の優勝を決めたヤクルト。今季から就任した真中満監督(44)は歓喜の涙を流し、7度宙に舞った。前年の最下位から優勝した新人監督は75年の広島・古葉竹識監督以来、史上2人目(2リーグ制以降)。2年連続最下位チームを見事に立て直した指揮官を直撃した。
――史上空前の大混戦を制しての優勝。ターニングポイントはどこにありましたか?
「優勝を決めるという意味ではやっぱり(9月26、27日の)巨人2連戦で1勝したことが大きかった。3連覇の巨人を倒さない限りは優勝はない。手術明けで来日して間もないバレンティンを、9月18日の巨人戦から一軍に上げたのも、巨人戦が大事だと思っていたし、ここが勝負をかけるタイミングだと思ったから。あとは8月の巨人、阪神6連戦を5勝1敗で乗り切ったことかな。巨人に3連勝して、僕ら首脳陣も選手も自信になった。今思えばあそこがヤマになったかもしれない」
■「最下位予想を何とか見返してやろうと」
――開幕前の下馬評ではほとんどがBクラス予想。悔しいと思いませんでしたか?
「(評論家で)ヤクルトを優勝予想していたのって、古田(敦也)さん、江川(卓)さんの2人だったっけ? でも、2年連続最下位のチームなんだからしょうがないよ。(成瀬、大引の)2人をFAで補強し、外国人も取ったとはいってもね。本当に大丈夫なの? ってそりゃあ思うでしょ(苦笑い)。ただ、何とか見返してやろうってパワーは生まれた。僕ら首脳陣が一番そう思ってた」
――振り返れば、紆余曲折がありました。開幕直後は首位に立つも、5月4日からは泥沼の9連敗で最下位に転落。あの時は苦しかったんじゃないですか?
「やっぱり気持ちが落ち込んだり、采配でも迷ったりっていうのは正直あったよ。でもね、7連敗くらいから気持ちが吹っ切れた。7、8、9と負け続けて、つらいことはつらいんだけど、気持ち的にはだいぶ違った」