韓国人選手に最終日逆転される日本人選手に足りないもの
昔、男女共に台湾の選手が強かった時代もそうだった。陳清波を中心に謝永郁、謝敏男といった強豪が試合先ではよく行動を共にしていた。日本オープンなど多くのタイトルを取っている陳さんが中心になって、優勝争いをするときの心構えとかゴルフの仕方を若い選手に教えるわけだ。
そのころ、台湾は女子も強かった。陳さんは女子にも男子と同じスイングを教えた。だから台湾にはオーバースイングの女子は当時からいなかった。樋口久子と女王の座を競り合った涂阿玉は男子プロ顔負けのパンチショットでダウンブローにボールをとらえて止まる球を打った。
■勝ち方を教える師匠がいない
樋口にはカナダカップでサム・スニードなど世界の強豪を破って優勝した中村寅吉がついていた。
中村は試合のとき、樋口にキャディーをやらせて勝ち方を教えた。パッティングのラインもよく樋口に読ませた。
そうして、昔は試合で勝っているプロが師匠としてついていたので、優勝争いをするときの戦い方も普段から教わっていた。だから、最終日、プレッシャーがかかったとき、どういうゴルフをしたらいいのか、分かっていた。