前日も「調子いい」と豪語 ヤクルト山田“3連発”は感性の賜物
劣勢ムードを一気に吹き飛ばした。
27日の日本シリーズ第3戦。ヤクルトの山田哲人(23)が、シリーズ史上初となる1試合3本塁打。3打席連発も70年の巨人・長嶋茂雄以来の大記録で、チームをシリーズ初勝利に導いた。
「疲れてたのが、ぶっ飛びました。初めてなのでうれしい」とは試合後の本人。「しかし、ボールが飛びますね。クライマックスシリーズ(CS)と全然違う」と調子の良さをうかがわせた。とりわけ3打席目は、剛腕で鳴らす千賀の内角直球を左翼席に叩きこんだ。「(3-1の)打撃カウントだったので、ストレートに絞って1、2、3で思い切っていきました」と読みの鋭さも発揮した。
山田は打席で感性を重視する。シリーズ開幕直前、「ビデオは見ても、打席に立った感覚が違うので、僕はあまりアテにしない。投手に対するイメージもない。ネクストに立った時に、初球を打つか打たないかは決める」と話していた。
視力は左が0.4で右が0.7。右打者にとって、投手に近い左目の視力の低さは打撃にマイナスになるはずだが、本人は「ボールはぼやけるくらいがいい」と意に介さない。ハッキリとボールが見えないことでかえって感性と対応力が磨かれたのかもしれない。