前日も「調子いい」と豪語 ヤクルト山田“3連発”は感性の賜物
三木作戦兼内野守備走塁コーチは「いい意味で周りに左右されない」と、山田を評する。
■周囲の心配も意に介さず
シリーズは1、2戦でわずか1安打。移動日だった26日、福岡空港で鉢合わせたDeNAの中畑前監督から打撃のアドバイスを受けた。評論家から「打撃フォームが崩れている」と指摘する声もあった。杉村チーフ打撃コーチが「いろいろ書かれているけど気にするな」と、声をかけたほどだった。
その移動日、山田は福岡遠征について「心身が疲れ果てました」と言っていたが、本音は違った。周囲には「調子は全然いい」と話していたそうだ。実際、この日の試合後、「1、2戦は投手が良かったんで引きずる気持ちはなかった。まあ、仕方がないというか」とアッケラカンとしていた。チーム関係者が言う。
「その上、負けん気が強く、精神的なタフさがある。この日も併殺での送球ミスが出た後の大爆発でしょ。今年のキャンプもそうだった。打撃練習で打球がなかなか前に飛ばない時期が続き、さすがの首脳陣も山田に声を掛けたが、『絶対に大丈夫です。見ていてください』とキッパリ言い切ったそうだ。夏場、原因不明の接触性皮膚炎を患い、スイングするのもおろか、服を着るにも痛むし、マッサージもなかなかできない状態だった。なのに、弱音ひとつ吐かず、自己最高の成績でトリプルスリーを達成したのですから、立派というしかない」
山田の3連発がヤクルト反攻ののろしとなるか。