王者に完敗…勝負分けた錦織の凡ミスとジョコの第2サーブ
ジョコビッチは24日の4回戦で、シモン(31=同15位)相手に4時間32分の激闘を演じ、100という信じられない数の凡ミスを犯した。スタミナの消耗が激しく、錦織戦への影響を心配したのだろう。試合後のインタビューでは「前日はボールを打つ練習をまったくしなかった」と語っていた。
一方の錦織は、ツォンガ(30=同10位)に完勝した4回戦の内容があまりに良かったため、「異変」のあった王者相手に勝つチャンスがあるかのような報道もあった。実際、決定打の数(31)ではジョコビッチを9本上回っており、隙の見えた第1セットでゲームの主導権を握れば、その後は違った展開になったかもしれない。
ジョコビッチは一昨年の全米オープン準決勝で錦織に敗れた時、第2サーブの得点率は37%と低かった。この日の試合では他のハードコートより反発力が高い特徴を利用して、バウンドが高く速いサーブを多用。得点率66%の第2サーブで錦織を苦しめた。
終わってみれば、ショットの精度やコントロールのレベル、ゲーム中の修正力、コートカバー力、勝負どころで着実にポイントできる点など、すべてにおいてジョコビッチの方が上だということが再認識された。チャンスがありながら王者に5連敗で今年もベスト8止まりの錦織。「ミスをしすぎた」と後悔したが、ジョコビッチを倒せる日は遠そうだ。