楽天で話題独占のオコエに「サービス精神」という内なる敵
「気合MAXで行きたい」
キャンプ地・久米島に降り立つや、そう言って白い歯を輝かせたのが楽天の新人、オコエ瑠偉(18=関東一)だ。宿舎に着くと、カメラマンの要請に快く応じてバットを振るポーズ。ウワサにたがわぬ明るいキャラクターを見せつけた。
今季の楽天は話題性に乏しい。過去に近鉄、日本ハムを率いた梨田監督は、新監督と言うには手あかにまみれている。FA移籍の今江もいるにはいるが、昨31日のキャンプ前日ミーティングで左足のケガが発表された。今後4週間ほど二軍でリハビリに専念するという。結局、マスコミが群がるのはオコエだけとなりそうだ。
松井裕樹も1年目の14年キャンプは報道陣に追い回された。どこへ行くにも黒山の人だかり、カメラのシャッター音は絶えることなく、日に1度は必ず囲み取材……というあんばいだった。
オコエのアマチュア時代を知る関係者は「サービス精神旺盛だからこそ、心配です」と、こう話す。
「甲子園で活躍していた時から、マスコミのむちゃぶりにも応えていましたからね。しかも、面白いことを言おうと努力しているフシもあった。でも、ああ見えてナイーブな面もある子。中学時代に足の病気で1年間野球が出来なかった時は、非常にナーバスになっていた。気分屋なところもある。あまりに取材攻勢が続くと、どうなるか……」
報道陣が連日大挙すれば、オコエも期待に応えようと無駄に頑張りかねない。いつしか彼らが鬱陶しくなり、それに気付かないマスコミが距離感を勘違いしてしまったら……。
球団も「楽天的」に考えない方がいいかもしれない。