天然芝も味方 オコエ「高卒一軍」を後押しする楽天外野事情
あるベテランスカウトに言わせると、「野手がプロでやっていく上で最も重要なのは足と肩。限られたホームランバッターはともかく、それ以外の選手がベンチ入りする近道は守備走塁要員だからね。打撃はコーチングやトレーニングで向上する可能性が高いけど、足と肩は鍛えようにも限界がある。特に高校生野手は足と肩だけで選ぶケースも多い」そうだ。
そこへいくと楽天のドラフト1位・オコエ瑠偉(18歳、183センチ、86キロ、右投げ右打ち、関東一)は「一軍ベンチに近い選手」ではないか。
50メートル走5秒96。守備範囲は広いうえ、肩の強さも夏の甲子園で実証済みだからだ。
一般的に高校生野手は一軍に定着するまで、最低でも2~3年かかるといわれる。おまけに来季から楽天の指揮を執るのは梨田監督(62)。いまや全日本の主砲を務める中田翔を、なかなか一軍に上げなかったほどで、計算の立つベテランを優先して起用する指揮官だ。1年目からの一軍帯同は厳しいという声が大半とはいえ、なにしろ楽天の外野手は層が薄い。