200投球回目標も…ヤンキース田中 消えない「右肘不安」
ヤンキース・田中将大(27)が19日(日本時間20日)、メジャー3年目のシーズンに向けてキャンプイン。ブルペン入りして、変化球を交えて投球練習を行うなど、通常通りのメニューで初日を終えた。
今季も開幕投手が有力視されているだけに「シーズンを通して投げたい」と200イニング登板を目標に掲げている。
200投球回はエースに課された最低限のノルマとはいえ、田中にとってはハードルが高い。ヤンキースへ移籍して以来、右肘や右手首などの故障が相次ぎ、1年目の14年は136回3分の1、昨季は154回と大台にはるかに及ばなかった。200回に到達するには最低でも30試合の先発登板が必要だけに、ノルマを達成には、これまでのように痛いのかゆいのと言っていられない。
田中は昨年10月に右肘骨片(通称ねずみ)除去手術を受けた。「クリアした部分があるので、今年の方がいいと思う」と話したが、安心はできない。ねずみを取り除いても、投手によって肘に違和感が残るケースがあるからだ。
肘の関節内を移動していた骨片が除去されたことによって、痛みそのものはなくなる。しかし投げる際の微妙なバランスがズレ、手術前の投球フォームに戻すのに時間がかかることも。手首や肘に余計な力が入り、さらなる故障を誘発するケースもあるという。そもそも手術で除去したのはねずみであって、部分断裂している右肘靱帯の状態は依然、変わっていないのだ。
田中の肘を不安視しているからだろう。ジラルディ監督は「(実戦登板は)彼の準備が整ってから。余分に時間が必要なら与える」と慎重な姿勢を崩さない。田中は今季も相手以前に右肘不安とも戦わなければならない。