延長十回一挙7得点 ソフトBが楽天だから見せた“横綱野球”
淡い期待は一瞬で吹き飛んだ。
楽天は開幕戦に勝って、第2戦は八回に2点差を追いつき延長引き分け。この日も両軍無得点のまま延長戦に突入したから、ナインや仙台のファンは開幕カードの勝ち越しがチラついたはずだ。
しかし、パの横綱が昨年の最下位球団を相手に、白星なしのまま福岡へ戻るはずがない。延長十回表、それまでの湿っていた打線が嘘のように、四球を挟み5者連続適時打の猛攻で一挙7得点。わずか数分間で楽天ベンチとスタンドを黙らせた。
工藤監督は「呪縛というか、点を取りたい気持ちで硬くなっていたのが取れた」と言ったが、これは王者の謙遜だろう。格段に戦力の劣る楽天相手に、開幕カードで3タテくらわせては、ファンもがっかりする。強い横綱というのは、格下には土俵際まで攻めさせて勝負を盛り上げ、最後に豪快に投げて勝つ。2年で50発、166打点の李大浩(現マリナーズ)が抜けても、パの1強は変わらない。