観客は大喜びも…オコエ起用法で問われる梨田楽天の手腕
最も球場が沸いた。
0-7で迎えた延長十回、ドラフト1位のオコエ瑠偉(18)が代打で登場。空振り三振に倒れて最後の打者となったが、ファンは温かい歓声を送った。
高卒新人では12球団で唯一の開幕一軍。26日には高卒新人としてはドラフト制後初となる開幕カードでの盗塁を決めた。人気、話題性が抜群で守備、走塁はすでに一軍レベル。打撃さえ向上すれば、スタメンを取れる素材であることはわかった。
そこで問題になってくるのは今後の育成方針だ。外野はウィーラー、松井稼、岡島がスタメン起用されている。松井、ウィーラーは3戦とも無安打に終わったが、実績のある選手と新助っ人は簡単には切れない。控えには聖沢らもいる。今は途中から少し出るだけでお客が大喜びしてくれる。楽天は2年連続最下位。多少負けてもファンは長い目で見てくれるだろう。この日だって、大敗濃厚の試合でオコエの登場に大歓声である。
しかし、このまま守備、代走要員として使い続けるなら、打席に立つ機会は限られ成長は遅くなる。打撃を度外視し、数十試合ほどスタメン起用するというなら話は別だが、そうでないなら二軍で経験を積ませるべきという話もいずれ出てくる。“落としどころ”をどうするつもりなのか。梨田監督の手腕が問われる。