2度目防衛も物足りず…井上尚弥“完璧すぎる”ゆえの課題
ボクシングに関する著作も多いスポーツライターの織田淳太郎氏は「井上は欠点のないボクサー。あえて課題を言うならば……」と、こう話す。
■元WBA王者・鬼塚の練習法にヒント
「ガードは完璧、パンチの出どころは見づらく、連打も速い。これまでは早いラウンドでのKO勝ちが多かった。だからこそ、不利な状況に慣れていないのでしょう。この日は中盤に倒しにいったにもかかわらず、倒しきれなかった。そこで右の拳を痛めたのか、圧力も減っておとなしいボクシングになってしまった。ハードパンチャーにとって拳のケガは付き物だし、いつも序盤にKOできるわけでもない。元WBAスーパーフライ級王者の鬼塚がやっていたように、常に最悪のケースを想定しながら練習することも必要になるでしょう」
KOを逃した井上は会場のため息に、「期待を裏切ってすいません」と苦笑い。強すぎるボクサーも、それはそれで大変だ。