ファン軽視いつまで 国内男子ツアーに早急な改革を促す声
「今回はゴルフ関係者で固めております」
去る9日、松井功日本ゴルフツアー機構(JGTO)副会長(74)が青木功新体制のもと、初の主催試合となる「日本ツアー選手権森ビル杯」の記者会見で、執行部の体制について言及した。
男子ツアーは1983年の年間46試合をピークに、今季は26試合(海外共催2試合を含む)まで減少。10年に1試合平均2万4292人(25試合)だった入場者数は昨季1万4018人と大幅に減った。「ゴルフ関係者で固めた」と胸を張る新体制は人気回復とツアー改革の緊急課題として、コースの難度アップと試合数の増加を掲げていたが、米ゴルフ事情に詳しいゴルフライターの吉川英三郎氏はこう言う。
「ゴルフは観戦に最も不向きな競技です。テレビ中継でも現地でも異なる選手のプレーは同時に見られません。しかも、日本のトーナメント会場はアップダウンがあったり、狭かったりと非常に歩きづらい。食事場所や売店、トイレも離れているし少ない。だからこそ、お金を出してチケットを買い、会場に足を運んでくれるファンのことを最優先に考えなければいけないのに、それを怠っている。米国には観戦向けに特化してつくられたゴルフ場、トーナメントプレーヤーズクラブ(TPC)が20カ所以上あります。米ツアー元コミッショナーのD・ビーマンが試合観戦した際、人垣で選手のプレーが見られなかったことを問題視し、設立されることになったのです。会場には多くのパビリオンが建てられ、入場チケットの一部は地元に還元され、町を挙げてのイベントになっています」