試合に敗れ号泣の片岡 専門家が涙流すメンタリティー分析
「プレッシャーというのは、理屈でなく感情がもたらすものです。怖さは過剰な欲望を持つことによって生まれます。怖さを説き伏せられるのは知性であり、理論です。そして自信があればプレッシャーに押しつぶされることはありません。自信がなく、その処理の仕方を知らないから、感情の起伏が激しくなり、涙があふれてくるのです」(前出の角田氏)
関西オープンで日本ツアー初出場初優勝を遂げた趙炳旻(26)は、徴兵で軍隊に入ると、自ら特殊部隊に志願した異色の経歴を持つ。
高度1200メートルからパラシュートで降下を繰り返すなど、恐怖と隣り合わせの訓練と比べれば、「ゴルフのほうがずっと楽」と優勝争いのプレッシャーなど大したことないと言った。生きるか死ぬかの状況を経験していれば、人前でメソメソできないのは当然だ。
それに引き換え、日本人プロはゆとり教育で甘やかされ、バブルの申し子たちは何不自由なく育てられ、血のにじむような苦労や挫折を味わったことがない。
昔のプロや外国人プロに比べ、修羅場を経験していないだけにメンタル面も幼稚だ。技術的な能力はもちろん、精神的にも強くなければプロフェッショナルとはいえず、すぐ涙を見せるプロの試合なんか見たくないというゴルフファンは多いはずだ。