あん馬と跳馬で困惑…体操日本に「独製器具」という難敵
リオ五輪で団体金メダルを目指す男子体操に新たな難敵が現れた。
先の種目別選手権で5人の出場選手が決まった男子代表が10日、都内での合宿を公開した。大会を終えたばかりとあって各選手とも軽めのメニュー。約1時間半にわたってリオで使用される欧州製の器具の感触を確かめた。
個人総合で連覇を目指す内村航平(27)は「(海外メーカーは)外見さえ似ていればいいという感覚なんでしょうね」と呆れたように話したが、使い慣れた国内メーカーの器具とは感触がまるで異なるそうだ。
関係者によると、日本代表の5人が最もてこずりそうなのは、あん馬と跳馬(ドイツのシュピース社製)だ。あん馬は2本の腕だけで体を支え、旋回や移動をする種目だ。「ポメル」と呼ばれる2つの取っ手が、国内で使用しているものよりやや高い構造になっているため、体重移動が難しくバランスを崩しやすいという。
もう一つの跳馬は、助走から踏み切り、跳馬に手をついて跳ぶ種目だ。日本製は3本脚で安定感があるが、五輪で使用されるドイツ製は1本脚。内村は「自分の技には合っていてやりやすい。しっくりきた」と好印象を持ったようだが、跳馬で最高難度の技を持つ白井健三(19)は、手をついた時に「(台が)揺れる」と言い、「まだタイミングが合わない」そうだ。