球宴ファン投票 阪神・原口の1位を阻んだ“2つの事情”
まさかの“逆転負け”だった。27日に行われた球宴ファン投票の最終発表。中間発表でセの捕手部門トップだった阪神の原口(24)は、ヤクルトの中村(26)に9万5000票の大差をつけられ、2位に終わった。
原口は4月末に育成選手から支配下に抜擢されるや大ブレーク。ここまで44試合に出場し、打率.331、6本塁打、21打点をマークし、正捕手に最も近い位置につけている。ファン投票で選出されれば育成野手出身者として初、支配下登録された初年度に限れば投手も含めて初の快挙になるはずだった。
17万票余を集めただけでも大したものだが、活躍度と阪神ファンの多さを加味すれば、ヤクルトの正捕手とはいえ、打率・198と不振に悩む中村に、ここまで大差で逆転されるとは本人もチーム関係者も想像していなかっただろう。
今回、ネットと携帯による得票数が約50万だったのに対し、投票用紙によるそれは2.5倍の約126万票。原口は投票用紙のノミネート選手欄のみならず、選手リストにも載っていなかった。ヤクルトのノミネート選手である中村は1カ所をマークするだけで投票できるのとは違い、原口の場合は別項にある球団名、守備位置、背番号の10の位、1の位の4カ所を塗りつぶさないといけなかった。しかも、阪神ファンならまだしも、他球団のファンが原口に投票したくても、3ケタの育成選手から2ケタに昇格したばかりの背番号を知らない場合もあるだろう。「94番」を調べる手間もある。