小国躍進も質低下が懸念 ユーロ拡大路線に現地記者が賛否

公開日: 更新日:

「結果的には欧州連盟の決断が大成功した形になっているが、出場国は24がリミット。枠を広げることは小国、中堅国の意欲を高めるプラス面がある一方、試合の質の低下や大会全体のレベルダウンにつながりかねないという懸念材料もある。これ以上の拡大路線は慎重になるべきだと考えます」

 彼の意見をフランス・リヨンに本拠を置く「Le Progyes(レ・プログレス)紙のアントアナ・オサンナ記者が補完する。

「正直に言って16カ国の方が拮抗した試合が多かった。新興国が結果を残したのは事実だが、ボール支配率やシュート数で開きがある試合も少なくなかった。W杯も32カ国開催になってから退屈なゲームが増えた。私自身は、16カ国開催に戻した方がいいと考えます」

 確かに内容面の分析は重要だ。シュート数やパス本数など数字が互角に近いゲームが多いほど見る側の満足感も高い。こうした意見に耳を傾けることも肝要である。

 総論としては、小国の奮闘が多くの人々に夢と希望を与え、大会に新たな趣が加わり、サッカー普及にもつながった。この前向きな要素を見逃す手はない。否定的意見を封印するためにも、ウェールズが大物選手クリスティアーノ・ロナウド擁するポルトガル相手にどんな戦いを見せるのか、まずは注視したいと思う。

(取材・構成=サッカージャーナリスト・元川悦子)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    「よしもと中堅芸人」がオンカジ書類送検で大量離脱…“一番もったいない”と関係者が嘆く芸人は?

  1. 6

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 7

    入場まで2時間待ち!大阪万博テストランを視察した地元市議が惨状訴える…協会はメディア取材認めず

  3. 8

    米国で国産米が5キロ3000円で売られているナゾ…備蓄米放出後も店頭在庫は枯渇状態なのに

  4. 9

    うつ病で参議員を3カ月で辞職…水道橋博士さんが語るノンビリ銭湯生活と政治への関心

  5. 10

    巨人本拠地3連敗の裏に「頭脳流出」…投手陣が不安視していた開幕前からの懸念が現実に