大炎上で初回KO 阪神・藤浪が直面した「死球恐怖症」の壁
「早くアウトが欲しくて焦った部分はあった」
阪神の藤浪(22)がこう言ってうなだれた。
30日の中日戦の初回、杉山に満塁弾を浴びるなど7失点を喫し、自己最短となる1回KOされた。
新人年から3年連続で2ケタ勝利を挙げた右腕は今季、150キロ台後半の剛速球とキレのある変化球を投げるのに、6勝10敗と勝ち星が遠い。残り登板数からして2ケタ勝利は絶望的で、金本監督は「これまでが順調すぎる。ひとつ壁にぶち当たっている」と言った。
原因はメンタル面にあるのかもしれない。今季の与死球は7個。そのうち、4月のヤクルト戦では谷内が左手首を骨折した。5月の中日戦で荒木に死球を与えると、翌日の練習中に神妙な表情で謝罪。荒木は「あれで謝っていたらキリがない」と言っていたが、昨年は広島の黒田、一昨年は中日の平田に死球を当てて激高されたこともある。昨年、一昨年の与死球はともに11個で、本人はナーバスになっているのだ。
「積み重なる死球によって、恐怖感が芽生えているのかもしれません」