「不正なし」で終わらず 東京五輪招致に“疑惑再燃”の火種

公開日: 更新日:

 真相解明にまでは至らなかった。

 1日、20年東京五輪招致を巡る買収疑惑に関して日本オリンピック委員会(JOC)の調査チームが報告書を公表。招致委が13年に国際陸連(IAAF)のラミン・ディアク前会長の息子であるパパマッサタ・ディアク氏が関わっているとされる「ブラックタイディングス(BT)社」と交わした約2億円のコンサルタント契約の違法性を否定した。さらに国際オリンピック委員会(IOC)が定める招致活動における倫理規定にも抵触しないとした。

 英紙ガーディアンの報道によれば、招致委からBT社名義の口座に振り込まれたコンサルタント料がパパマッサタ氏によって私的に流用。同氏が高級時計、宝飾品を購入したことが招致委の贈賄にあたるとしている。

 会見した調査チームの座長である早川吉尚弁護士は、招致委側にBT社への「贈賄の意識、証拠はなかった」と疑惑を否定した。早川弁護士は招致に関わった34人から聞き取り調査などを行った結果「不正はなかった」としたが、強制捜査権のない調査は国内止まり。ディアク父子の他、アジアのスポーツ界や陸上界に太いパイプを持つBT社の代表で東京招致を成功させたイアン・タン氏についても弁護士を通じてヒアリングを試みたが、接触できなかったという。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  2. 2

    大阪・関西万博もう間に合わず? 工事未完を「逆転の発想」で楽しむ方法…識者が皮肉たっぷり提唱

  3. 3

    大阪万博の目玉 344億円の巨大木造リングはほぼフィンランド産…「日本の森林再生のため」の嘘っぱち

  4. 4

    “路チュー”に続き所属タレントの書籍予約トラブル…STARTO社福田淳社長は「自分ファースト」!?

  5. 5

    巨人・田中将大 戻らぬ球威に焦りと不安…他球団スコアラー、評論家は厳しい指摘

  1. 6

    平野紫耀から杉咲花に「翠ジンソーダ」キャラクターわずか1年でバトンタッチのナゾ…平野ファン大混乱

  2. 7

    プーチンだけが丸儲け…米国&ウクライナ会談決裂にニンマリのロシアが描く青写真と警戒心

  3. 8

    注目される日銀の出口政策…次は時価約74兆円のETF(上場投資信託)の出番だ

  4. 9

    大阪万博「歯抜け開幕」ますます現実味…海外パビリオン完成たった6カ国、当日券導入“助け舟”の皮肉

  5. 10

    自公維の「高校無償化」に慶応女子高の保護者が動揺? なぜだ?