藤浪にも説教 “超改革”阪神で39歳の福留が活躍する皮肉
「そりゃあ、クビにはできないでしょ」と言うのは、ある阪神OB。「クビにできない」とは福留のことだ。
今季の阪神は「超変革」のスローガンを掲げ、金本監督がチームの大改革に挑んだ。首脳陣は大幅に入れ替わり、若手を積極的に起用したものの苦戦の連続。優勝をあきらめたファンの願いは、「どうにかCSに出て欲しい」といったところだろう。
そんなチームの中でひとり気を吐いているのが、39歳の福留だ。主力の中で3割を打っているのはこのベテランだけ。しかも、出塁率.40043(9月2日現在)はリーグ5位。力不足でチャンスを生かせない若手や、衰えが顕著な鳥谷(35)を尻目に年齢を感じさせないプレーでチームを支えている。
前出のOBが言う。
「超変革で一番目立っているのが、ベテランの福留というのも皮肉だけど、彼は打撃もさることながら、守りの意識が非常に高い。プロ1年目にレフトで落球し、サヨナラ失策をしてチームに迷惑をかけたことが薬になったそうだ。だから8月30日の中日戦で、ベースカバーを怠った藤浪をベンチで説教した。投手は投げるだけが仕事ではないとね。福留は今季は4月の広島戦で失策(悪送球)が記録されたが、これが阪神4年目にして3年ぶり2つ目の失策。『福留が頑張っているから外野のポジションが1つ空かない』という声もあるが、あの守備でどれだけ投手陣は助かっていることか。こう言ってはなんだけど、現役晩年にレフトを守っていた金本監督とは守備力が違う。来季も残留確実のようだし、甲子園のライトは“エリア8”ですよ」
来年4月に40歳になるが、戦力外の心配はなさそうだ。