準決で怪物超え23号 1年4番・野村は早実の“精神安定剤”
「あと1本で清宮さんの(1年時通算)22本を超えるので意識していた」
早実(東京)の4番・野村大樹(1年)がこう言った。14日の明治神宮大会準決勝で、早実が福岡大大濠(九州・福岡)を6-4で下し、80年以来36年ぶりの決勝進出を決めた。
3番の清宮幸太郎(2年)が塁に出て4番がかえす――。この日主役だったのは、本塁打を含む3安打4打点の活躍を見せた1年生4番打者の方だった。
1点差に迫られた七回に高校通算23号を左中間スタンドへ。「最近ホームランを狙って打てるようになってきたので『やってみよう』と思っていた。打った瞬間入ると思った」とケロリと言い放った。
1年夏から4番。マークされる3番・清宮をいつも「フォロー」している。清宮が5三振を喫した東京大会決勝も、清宮三振の直後にサヨナラ弾を放って“先輩”を救った。この日、全5打席出塁のその清宮にとっても大事な“相棒”で「今日は野村がたくさん打ってくれた。自分もつなげるように出塁できたので勝利に貢献できた」と言えば、和泉監督も「清宮の存在が(投手の)失投を生んでいる。そこを仕留めるのが野村の力」と2人の相乗効果を認めた。