7カ月で実戦復帰 “トミー・ジョン”に代わる新手術法とは
米球界で今、断裂した肘靱帯を再建する新たな手術法に注目が集まっている。
従来の「トミー・ジョン(TJ)手術」よりも、復帰までの期間を大幅に短縮できるからだ。
この新たな手術法は断裂、損傷した靱帯を取り除いて新たに他の箇所から移植するTJ手術とは異なり、傷んだ靱帯を修復するもの。TJ手術の場合、キャッチボール再開は早くても術後5カ月。投球練習再開は同10カ月程度を要し、実戦復帰までに1年以上かかる。一方、新しい手法では最短7カ月でマウンドに戻るのも可能だという。
10年にアラバマ州バーミンガムのスポーツドクターであるジェフリー・デュガス・ジュニア医師らが開発し、13年に初めて実施。16年3月にフロリダ州オーランドで行われた米国整形外科アカデミーで治療成績が報告された。それによると、この手術を受けた32人のアマチュア選手は復帰後、2シーズン続けて高いパフォーマンスを発揮したという。
過去に100人以上の肘を執刀した産業医科大学若松病院の内田宗志医師(診療教授)がこう解説する。